民間企業のエントリー・シートのように、シートそのものを評価するわけではありません。
受験生の思いをぶつけるものではなく、面接官が質問を組み立てるための手持ち資料であるという認識に立てば、大きなミスは避けらるでしょう。
質疑応答を通じて自分の良さに確実に気づいてもらえるように、面接シートの記載を工夫する必要があります。
「都民を笑顔にする仕事がしたい」など、内容が抽象的でよく理解できないため、まず言葉の意味の確認から質疑を始めなければいけないという水準では一歩出遅れることとなります。
職員の候補者を選抜するにあたって面接官は何を検証したいのか、何が心配なのか踏まえた上で、自分は若手職員にふさわしい経験、能力を有すること、安心して採用できる人材であることの判断材料を提示すべきです。
例えば、1類Bの場合、「取組期間を含めて」と指示があります。長ければ良いとは一概に言えませんが、このあたりも判断材料です。
また、「具体的に」と各所で指示があります。取組に関しては、例えば、「メンバーの意見をうまく調整し」「チーム一丸となって」などは具体的とは言えません。
都庁でやりたいことに関しては、「都民を笑顔に」「東京を世界一の都市に」などは具体的とは言えません。(政治家のキャッチフレーズであれば構わないと思いますが)
また、「~に真剣に取り組んだ」と定性的に記述するよりも、できるだけ数字を交えるのもポイントの一つです。
「即戦力」であることをアピールしたい受験生もいるかもしれません。
少々意地悪かもしれませんが、「仕事でも活用できる」と正面を切ってアピールされると、本当に仕事で使ったことがあるのか、実績がないのにそう考える根拠は何か、と質問する面接官もいるでしょう。
拙著『面接試験の本質』では、良い質問を引き出すための面接シートの書き方を解説しています。よろしければ併せてご参照ください。
通年学習から直前期対策までを見据えた