都庁各局の姿を表すバロメーターとして、平成28年度管理職選考の局別受験状況を紹介します。都庁幹部を目指す若手・中堅職員の多さを表したものと言えます。(母集団の少ない局もあり、年度によって数値がブレることがある点をご了承ください)
もちろん、出世を目指すことがキャリア形成のすべてではありませんが、将来の都庁幹部を目指す方にとっては、身近にロールモデルがあれば、いわばお手本として参考になり、選考に向けて指導してもらいやすいという側面もあります。
平成28年度 局別受験者数
※ 受験者数20名以上の局
管理職選考種別A、Bの合計数
絶対数で見ると、受験生の志望度が一般にあまり高くない(地味な?)局が上位に並んでいます。
上位には大所帯の局が並んでいますが、こうした局では管理職ポストも多く、管理職を目指す職員の数も多いといえます。
官房系局など、特定の局に在籍していないと管理職になりにくいということはありません。
次に、各局の職員数を加味したデータを紹介します。各局の職員総数のうち、どれだけの職員が管理職選考を受験したかという数値です。
各局の職員定数に占める受験者の割合
※ 交通局、教育庁については、職員定数のうち
一般行政職と技能職/教育職の内訳が不明の
ため未計算です。
割合で見ると上位の陣容が変わりました。いわゆる官房系局も上位に位置しています。
最上位のオリンピック・パラリンピック準備局は、管理職選考適齢期で意欲ある若手・中堅が集められている(そうしたタイプの人材が異動を希望している)ことが要因でしょう。
また、上位の特徴は、出先がない(またはほとんどない)少人数の局であること、意欲ある若手・中堅職員が異動を希望することが多い局であることです。(特定の局に留まり専門性を高めるキャリアを志望する人材もいるため、一般的な話としてです)
もっとも、下位に位置する局も、仮に本庁だけのデータを取れば、違った数字になると思われます。
最後に、受験者のうち女性の占める割合です。受験者が多い局では、管理職を目指す女性のロールモデルを見つけやすいと言えます。
受験者のうち女性の占める割合
主税局、教育庁、福祉保健局が上位に位置するなど、事務職の占める割合が大きな要因と見受けられます。筆者の肌感覚としても、特に主税局では、女性の部長、課長は決して珍しくありません。
なお、主税局については27年度も同様の数値ですが、政策企画局については16.7%(4人/24人)と、少人数局ということもあり年度によるブレが見られます。
一方、インフラ整備などを担うハード系局では、技術職が比較的多いこともあり、女性受験者の比率が低くなっています。
また、ソフト分野の印象のある環境局については、27年度も同様の低い数値です。主税局や生活文化局などほぼ事務職しかいない局と比べて、技術職が比較的多いことが要因と思われます。
一方、事務職が多いにも関わらず下位に位置している会計管理局については、27年度は16.7%(3人/18人)のため、こちらは母集団の少なさによるブレと考えられます。