通常の人事異動の場合、異動先の希望を出すことはできますが、職員が数万人いることもあり、異動先で活用できることが明確な資格や経歴、能力がある場合を除いて、希望する部署にピンポイントで移るのは難しいのが実情です。
そこで、都庁では、庁内での様々な能力を持った人材の発掘や、意欲ある人材の登用などを図るため、庁内公募制人事を行っています。
これは、職員の意思で公募に申し込み、書類選考・面接を合格すれば、公募で提示された通りの部署に異動できる制度です。
都市外交や情報化推進、法務、会計など、主に専門性、チャレンジ精神が求められる職種に関して募集が行われています。
特に近年は、五輪開催準備の分野でも募集が行われています。平成28年度は、扱う業務内容に応じた7つの募集区分が設けられていますが、その中には、意欲ある若手人材の登用を目的として、特段のスキルや経験を問わない枠(やる気、行動力重視)も設けられています。
なお、募集が行われる部署は毎年変わりますが、都市外交など、毎年のように募集しているものも数多くあります。再チャレンジも可能ですし、現在の職務で一定の経験を積んでから満を持して申し込むといったことも可能です。
求められるスキル等を有していれば、例えば、他局の出先事務所から政策企画局や産業労働局の本庁へ異動することも可能です。(公募でなくても異動可能ですが、通常の人事異動では、巡り合わせや運の要素が増えます)
なお、制度上、公募制人事に手を挙げられるのは入都後2年目以降となっていますので、公募による異動は最短でも入都後3年目からとなります。
入都後の最初の配属先については、大まかな分野の括りで希望を出すことはできます。
もっとも、産業、観光、文化等を希望する人が大多数ということ、また、当初の育成期間については、都政の最前線で現場を体験することができる職場に配属することが推奨されていることから、新規採用職員の希望どおりになることは少ないのではないでしょうか。
(入都後最初の配属先については、 『都庁採用後の配属先』 の記事をご覧ください。)
それでも、いつかはあの仕事をしたいという思いを持ち続けた人は、いずれ公募制人事に合格したり、その分野で名を知られるようになって希望どおりの異動がかなう、という形で夢を実現したケースは数多くあります。
もちろん、ここで言う「思い」とは、「選ばれたらいいな」という程度のものではなく、応募者の中から選抜されるために十分な技能や資格を身に付けるべく、日ごろの努力を惜しまないということです。
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