「説得力(論理性+表現力)」が備わっていることを面接官に納得してもらう必要があります。
上司や同僚と意見が対立している場面や、都民への説明が必要な場面など、自分や組織の考えを相手に納得してもらえるよう説明することは、都庁で仕事をしていく上で非常に大切な能力です。
相手に納得してもらうためには、相手がなるほどと思える論理性と、それを的確に伝える表現力が求められます。
論理性については、自分の考えに根拠を付してください。なぜそう思ったのか、なぜそういう行動を取ったのか。要は、「あなたのそういう理由であれば、その結論に達するのも納得できる」と面接官に思ってもらうことができればよいのです。
・ なぜ都庁を受けようと思ったのか。
・ 都庁でやりたい仕事と、あなたが今取り組んでいることは、どう関連しているのか。
・ 国や特別区ではあなたのやりたいことはできないのか。
そうした基本的な質問に対しても、なんとなく都庁で働きたい、なんとなく東京という大都市でスケールの大きな仕事がしたいというのではなく、相手がなるほどと思える理由を付して、意見を述べる必要があります。
また、その場で考えさせるような質問に対して、ごまかしたり、うまくその場を切り抜けようとするのもお勧めできません。仮に減点はされなくても、加点をされることもないため、「普通」との評価にとどまるでしょう。逃げる姿勢(積極性、チャレンジ精神の欠如)をとがめられて、むしろ減点かもしれません。
その場で初めて考えて答えるのが難しいような質問であっても、なぜそう考えるのか、話の筋を説明しながら自分なりの結論を導けば、論理的に考える姿勢を持った人材という評価を受けるはずです。
また、困難から逃げない姿勢も評価されます。
むしろ、面接官の側は、受験生が準備していない、その場で考えさせるような質問を用意するのに苦心しているくらいです。したがって、答えを準備していない質問だからと言って、逃げたり、ごまかしたりしてはいけません。むしろ他の受験生との差をつけるチャンスです。
外資コンサルの面接では、日本全国に存在するボールペンの数や、マンホールの数などを質問されると言われています。当然ながら、答えを知っているか試しているのではなく、自分なりの答えを論理的に、そして可能な限り緻密に導くことができるか、思考の過程を試しています。さらには、相手が納得できるようにうまく説明できるかです。
都庁の面接では、都政の課題や受験生の関心がある分野を題材として、その場で考えさせる質問が行われるでしょう。これは、論文試験と同様、結論自体が正しいか否かではなく、思考の過程を論理的に分かりやすく説明することが求められています。知らない、分からないという回答は的外れです。
受験生の説得力を試すために、面接官があえて反対意見を述べることもあります。そこで黙って引き下がる人材か、自分なりの根拠を付して、説明を試みる人材かの評価が分かれます。
面接官の意見を参考にしながら、当初の意見よりさらに良いものを再度提案してもよいでしょう。建設的な議論のできる人材と評価されるはずです。
ただし、相手を言い負かそうとしたり、自分の意見を押し通そうとしてはいけません。面接官が知りたいのは、あくまでも論理的に説明ができる人材かどうかです。答えの正しさ自体を検証しているわけではありません。(併せて、そのときの受験生の態度も見られています)
表現力に関しては、どんなに根拠が論理的で筋が通っていても、何を主張しているのか相手に伝わらなければ意味がありません。
基本的には簡潔に話すこと。そして、今、話しているのが結論なのか、理由なのか、相手にはっきり示すのがよいでしょう。
例えば、「(ご質問への答えは)〇〇です。理由は~だからです」、「理由は2つあります。第一に~、第二に~」などとすれば、面接官としては話を聞きやすくなります。
面接試験は口頭のやり取りで流れていくため、受験生の話すこと全てを理解し、記憶するのはそもそも困難です。論文の答案を記述するとき以上に、分かりやすさを心がけることをお勧めします。
受験生が話しているのは結論なのか、理由なのか、他人の意見なのか、自分の意見なのか、はっきり分からないようだと、面接官としては、表現力に関して高い点数を付けることはできません。
「この受験生なら、仕事で困難なことに直面しても、自分なりに考えて、自分の考えを上司や同僚にちゃんと説明できるだろう」と面接官が納得できれば、面接試験での高得点につながります。
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