「積極性・行動力」があることを面接官に示す必要があります。
入都してから活躍できる人材か否かという観点では、人が助けてくれるまで待っているのではなく、自分から様々な人に教えを請い、情報を取りに行ける人は成長スピードが速いはずです。
また、将来的には、自分から周りに働きかけられる人材、必要であれば上司や関係者を説得してでも施策を推進できる人材に成長することが、若手職員には期待されています。
「積極性・行動力」は、「チャレンジ精神」と並んで、若手人材、将来の中枢を担う人材に特に求められている資質と言えます。
「協調性」や「チームワーク」などは、全くなければ不都合がありますが、一定水準を超えていればよいという性質のものです。「協調性」や「チームワーク」に優れているから、この人材を敢えて採りたい、とはなりません。
一方、「積極性・行動力」や「チャレンジ精神」は、あればあるほど評価に値します。
もっとも実際には、都庁職員全体を見れば、こういう人材ばかりというわけではありません。積極性・行動力に欠ける(あるいは年数を経るうちに薄れてしまった)と思われる人材も中にはいます。
しかし、採用当局から見て、今から敢えて優先的に採用したいタイプとは言えないでしょう。
ただし、面接の自己PRの場面で、「自分は積極性がある、行動力がある」と主張すること自体にはあまり意味はありません。
それだけでは、事前に準備した模範解答を再現しているだけかもしれません。面接官は、「では、それを証明してください」と内心では思っていて、それを裏付けるエピソードを聞いてくるはずです。
あるいは面接官に聞かれる前に、「例えば~」と自分から説明してもかまいません。(直接問われていないことを自分から補足する場合は、簡潔に、を心掛けてください)
受験生の積極性や行動力を裏付ける行動として、
・ 東京都の動向について、様々なメディアから情報収集をしている
・ 自分なりの政策を考えている
・ 働きたい部門・部署が明確
・ 都庁のインターンに参加した
・ 公式の場や、知人などを通じて、都職員に会って話を聞いた
・ ゼミ、アルバイト、部活の場面で、プロジェクトを率いたり、何らかの改善を周りに働きかけた
などが考えられます。
上記の行動特性にあてはまらない場合は、なぜそういう行動を取らなかったのか、納得できる理由を考えておいたほうがよいでしょう。
例えば、「積極的に行動するタイプだ」と言っておきながら、様々な機会が与えられているにもかかわらず、自ら都職員に会って情報を取ろうとしなかったのであれば、疑念を抱かれかねません。
なお、インターンや説明会に参加したかどうかは、面接試験での評価自体には全く関係ありません。
あくまでも、都庁の志望度が高く、積極的に行動する人であれば、自分の目で確認するためにインターンに参加したり、ナビゲーター制度を活用したりするだろう、という整合性の話です。
こうした観点から、自分の強みとして何をアピールするか、それを裏付けるエピソードをどう選択し、どのように伝えるかは非常に大切です。
そしてこれは、自分の言い分が理屈の上で正しいかどうかではなく、自分とは経歴も、置かれた立場も異なる面接官に納得してもらえるかという視点で検証されていなければなりません。
面接試験は、自分の意見や活動内容の正しさ、正当性を主張する場ではありません。来年4月から職場で活躍できる人材か、将来の都政を担いうる人材かの判断材料を、面接官に提供する場です。
通年学習から直前期対策までを見据えた