「課題設定力」があることを示す必要があります。
例えば、都庁の企画部門であれば、統計データの推移などから、何が問題となっているか気づき、どのような対応が求められるか、課題を設定する必要があります。
課題の設定を間違えると、それ以降の解決策の立案、実施は的外れとなり、問題の解決につながりません。
近年の論文試験、プレゼンテーション試験でも、この基礎力をストレートに検証する課題解決方式で出題されています。(「基礎力」と申し上げたのは、現実には、参照すべき資料・データに限定はなく、予算の制約や、首長、議会の方針との整合性、その時点での民意や景気状況など、総合判断が必要なためです)
受験生の普段の活動にあてはめると、アルバイト先の先輩や上司、ゼミの教官、部活のコーチから指摘された課題、指示された作業に取り組むだけでなく、自分自身で課題に気づく力、何か改善できることはないかという視点で取り組む意欲があるかどうかです。
つまり、到達すべきゴールを見据え、それを達成するために不足していることを分析し、ハードルを乗り越えるための方策を考える力があるかどうか。
次々に発生する問題への対処だけでなく、根本的に問題の発生を防ぐにはどうすべきかまで踏み込むことができればベターです。
これらについて、自分の過去の行動を振り返りながら、課題設定力のある人材であることを示す実績を、面接官に対して説明する必要があります。
「今まではやったことはないが、就職したら仕事だから頑張る」との主張は受け入れてもらえません。都庁の面接試験は人物の審査です。思考様式・行動様式(いわゆるコンピテンシー)を検証しています。
実際の面接試験では、例えば、「大学生活で一番頑張ったことは何か。そのとき大変だったことは何か。」という形で、問題や課題に気づく力のある人材か、あるいは、ただ漫然と、他人に指示されたとおりに頑張るだけの人材か試されます。
まずこれを質問してから、「その課題を克服するために、どのように取り組んだのか」と、「チャレンジ精神」や「課題解決力」を試す質問が続くはずです。
大きな課題でもいいですが、普通なら気づかない些細なことでも構いません。
入都後のことを考えても(面接官は採用後のことしか考えていないはずですが)、自分の身の回りの問題に気づき、課題として顕在化させられる力を持っている人材のほうが、若手職員として、組織の活性化への貢献が期待できます。
通年学習から直前期対策までを見据えた