政治的な決断が必要な案件など、新知事が就任するまで都政が停滞する部分もあると想定されますが、今回は、職員の視点での影響について述べたいと思います。
結論から申し上げると、若手職員にはほとんど影響はありません。意思決定のあり方や人事など、直接的な影響が及ぶとすれば、本庁部長以上でしょう。(その玉突きで影響があるとしても、本庁の枢要な課長ポジションくらいまで)
知事がこれまで特に重点を置いていた分野など、今まで注目を浴びていた(多忙だった)部署がそれほどでもなくなることや、新知事の就任で逆のことが起こる部署も一部ありますが、全体として見れば、日々の業務や職場の雰囲気が急に変わることはありません。
選挙においては、候補者の性格や人望が話題になりますが、若手職員にとっては、この点を気にする必要はまずありません。業務で知事と日常的に接するのは、上層部の一部のみです。
また、知事のイメージと都庁組織が結び付けられ、就職先としての「格」や「評判」に何となく影響することもありますが、これも職員となってみれば実質的には何も影響がありません。
知事が1期、2期と務めるうちに、上層部だけでなく、組織全体の仕事の進め方が徐々に変化する可能性はあります。もっとも、これは今回の知事の交代に限らず、いつかは起こりうる変化です。
したがって、従来の都庁の仕事や社風が気に入って志望しているのであれば、知事が交代したからといって考えを変える必要もありません。
トップが交代して落ち着かない時期があるのは、どの役所でも、民間企業でも起こりうることです。
一方、新しい知事の打ち出した方針に共感して志望というのもありですが、こうしたものは、また将来、知事が変われば方針も変わる可能性があります。後継指名を受けていたケースは別として、前トップの肝いり施策は、むしろ見直しの対象とされることも珍しくありません。
通常は、知事の任期よりも、職員の在職期間のほうが長いのですから、流行りの注目施策を追いかけず、中長期的に成し遂げたいことを軸に就職先候補を検討すべきです。
また、職員の待遇や人材登用については、知事の方針しだいで振れ幅がありますが、基本的には、知事が交代しても続いてきたトレンドを見るべきです。新知事の打ち出した方針が、すぐに実現されるとは限らず、過度の期待は禁物です。
通年学習から直前期対策までを見据えた