昨年度(平成27年度)の採用試験では、都人事当局は「2020年東京オリンピック・パラリンピック大会準備、福祉先進都市の実現等、都政における課題はますます高まっています。このため、事務の採用予定者数は、昨年度(平成26年度)に比べ150人増の770人となりました」としていました。
また、昨年度の技術区分に関しても、「2020年東京オリンピック・パラリンピック大会準備、高度防災都市の実現や都市インフラの安全性向上等、都政における技術職員のニーズが依然として高い水準にあるため、技術(土木・建築・機械・電気)の採用予定者数は、昨年度同程度の390人」としていました。
当局としては、就職先の候補として大勢の就活生に注目してもらい、多くの候補者の中から適切な人材を見つけたいという趣旨です。オリンピックをきっかけに、どうせ公務員試験を受けるなら、都庁の採用試験も試してみようかと考える方もいるでしょう。
ただし、当局がオリンピック関連事業を打ち出しているからといって、受験生の側で安易に便乗してはいけません。
平成28年度採用試験に関して、人事当局は、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の準備、都営交通や上下水道などの都民生活を支えるインフラの整備・再構築等のため、引き続きニーズの高い「機械」及び「電気」の採用予定者数は、昨年度に比べ36人増の132人となりました」としています。
事務(行政)区分に関しては、当ブログ記事『都庁採用予定者数の変化から読み取れること』で紹介したとおり、総じて採用減の見込みですが、昨年度のようなオリンピック関連の言及もありません。単に採用予定者数のみが公表されています。
「引き続きニーズの高い」職種である「機械」及び「電気」のみ増員です。他の区分に関しては、オリンピック関連事業を含めた、当面の行政需要を満たす人員は概ね確保できたとの認識の表れです。
平成28年度採用試験に関して、人事当局は、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の準備、都営交通や上下水道などの都民生活を支えるインフラの整備・再構築等のため、引き続きニーズの高い「機械」及び「電気」の採用予定者数は、昨年度に比べ36人増の132人となりました」としています。
事務(行政)区分に関しては、当ブログ記事『都庁採用予定者数の変化から読み取れること』で紹介したとおり、総じて採用減の見込みですが、昨年度のようなオリンピック関連の言及もありません。単に採用予定者数のみが公表されています。
「引き続きニーズの高い」職種である「機械」及び「電気」のみ増員です。他の区分に関しては、オリンピック関連事業を含めた、当面の行政需要を満たす人員は概ね確保できたとの認識の表れです。
採用試験に臨むにあたっては、「オリンピック関連事業に携わりたいから志望した」というのはダメです。オリンピック開催までは4年しかありません。任期限定の専門職ならそれで構いませんが、通常は(職員の側から辞めない限り)40年間にわたって雇用する前提で採用選考を行っています。
オリンピックがきっかけで都庁に注目するようになったのであれば構いません。しかし、オリンピック関連業務に携わることが志望理由の中心であれば、2020年以降はどうするつもりか採用当局も困惑します。
いわゆるレガシー事業は残りますが、開催準備ほどの大規模な事業にはなりえません。オリンピック関連部署だけで都庁人生を全うすることは不可能です。
通常の採用枠では、将来の都政の中核を支える人材を採用するのが主眼です。オリンピック準備で必要な人手の確保という思惑もありますが、これは結果的にそうなるということで、主眼ではありません。
確かに、まだ何年も先の話ですから、オリンピック後のことはその時になってから考えればいいと言いたくもなります。しかしこれは、自分でキャリアを切り拓く意志を持っているか、自分なりの展望を持っているかという人物評価に帰結します。
確かに、まだ何年も先の話ですから、オリンピック後のことはその時になってから考えればいいと言いたくもなります。しかしこれは、自分でキャリアを切り拓く意志を持っているか、自分なりの展望を持っているかという人物評価に帰結します。
もう一つ、志望理由でオリンピックを前面に押し出さないほうがよい理由があります。採用案内ページにも、「オリンピック関連部署に配属するための人材を採用する」とは書いていません。
新規採用を行うのは、基本的には、都庁全体でのマンパワーを維持するためです。新規採用者が準備局や各局のオリンピック関連部署に配属されるかは分かりません。
むしろ、近年の採用増は、中長期的な人員バランスの調整に加えて、既存職員をオリンピック関連部署に異動させるにあたって、その空いたポジションを埋めるための人員拡充の側面が大きいはずです。失敗が許されない重要な事業なのだとすれば、未経験の若手を数多く配置することはありません。
オリンピック関連部署に配属するための特別な採用枠ではないのですから、そうした部署で働く意欲や適性ばかりをアピールしても効果は薄いと考えられます。
もっとも、2020年までまだ数年あります。2017年入都を目指す方であれば、仮に最初の配属先がオリンピック関連でなかったとしても、2020年までに準備局や各局の関連部署に異動できるチャンスはあります。
開催直前期の混乱を避けるため、オリンピック関連部署では、2020年4月の人事異動は最小限に留めると考えられます。そうすると、こうした部署へ異動するチャンスが開かれているのは2019年4月の異動まで。その時期の人事異動の対象となりうるかという点で、2017年4月までの入都が目安となるでしょう。
開催直前期の混乱を避けるため、オリンピック関連部署では、2020年4月の人事異動は最小限に留めると考えられます。そうすると、こうした部署へ異動するチャンスが開かれているのは2019年4月の異動まで。その時期の人事異動の対象となりうるかという点で、2017年4月までの入都が目安となるでしょう。
2016年4月に入都された方、また、これから都庁に入る方の中からも、実際にオリンピック事業に携わる方が出てくるはずです。当局としても、将来の中核を支える若手職員に、一大事業を経験させたいはずです。
ただし、採用試験に臨む段階では、もっと長いスパンで都庁でのキャリアを考えておく必要があります。オリンピックに携わることがあっても、それはキャリアの一部であって、もっと大きな目標の途中経過ということです。
極端な例ですが、思いが強いあまり、「オリンピック部署に行けない場合は内定を辞退する」という人材は、希望通りに配属されないリスク、オリンピック後の意欲喪失リスク、どちらの側面からも採用当局に問題視されるでしょう。
本当にそう考えているなら、自分の就職先として都庁がふさわしいか再検討が必要です。「そこまで言えば希望が通るかも」という駆け引きのつもりなら、非常にリスクが高く、得るものはほとんどありません。
もっとも、オリンピックは都政の一大イベントですから、全く関心がないのも問題です。
都知事も、「準備局だけでなく全庁体制で取り組まなくてはならない。自分は関係ない、自分の部署は関係ないという姿勢は許されない」と発言しています。
大会準備・開催そのものでなくても、都民生活への様々な影響等も考えれば、どんな部署でも何か貢献できること、備えておくべきことがあるとの趣旨です。
都知事も、「準備局だけでなく全庁体制で取り組まなくてはならない。自分は関係ない、自分の部署は関係ないという姿勢は許されない」と発言しています。
大会準備・開催そのものでなくても、都民生活への様々な影響等も考えれば、どんな部署でも何か貢献できること、備えておくべきことがあるとの趣旨です。
オリンピック関連事業に携わるために都庁に入りたいというのは行きすぎですが、自分の持ち場で貢献したい、機会を捉えて携わりたいというバランス感が大切です。
通年学習から直前期対策までを見据えた
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