東京都の特別区・市を対象とした実質年収のランキングを作成しました。
さらに、併願先候補として検討されることが多い都庁、首都圏の政令市も含めています。
試算結果は以下の表のとおりです。東京都の平均年齢(41.9歳)を基準として、自治体ごとの「補正年収」を筆者(都庁OB)において算出しました。
試算にあたっての考え方、講評については、後段で紹介しています。
特別区・市の年収ランキング
(一般行政職)
(一般行政職)
平均年齢41.9歳相当に補正
試算にあたっての考え方
試算の基礎として使用したデータ、計算方法などについては、当ブログ記事『都道府県・政令市の年収ランキング』と同様です。
なお、今回の比較対象は首都圏自治体のみですので、各職員の勤務地によって支給の有無が左右される「寒冷地手当」はゼロとして計上しています。このため、前回記事と比べ数値が若干異なる自治体があります。
年収の補正にあたっては、勤務年数が1年増えるごとに、都庁・特別区は16万円、他は15万円、年収が増えるものとして試算しています。
ランキング講評
上位5位までは、平均年齢の低い市役所が多く入りました。もっとも、給料のベースが高いというよりは、残業手当が多い(若いから残業が苦にならないのか?)ことが要因のようです。
(残業の量については、改めて紹介予定です)
なお、首都圏政令市は、特別区・市と比べてもトップクラスです。
目黒区は、名目年収1位(751万円、平均年齢45.8歳)から実質26位へ、渋谷区も、名目年収3位(738万円、平均年齢46.0歳)から実質46位へダウンしています。
目黒区の実質順位は全体の真ん中くらいですが、渋谷区はむしろ下位に落ちています。
渋谷区の実質順位が低いのは、年齢補正分に加え、残業手当が非常に少ないことも影響しているようです。
全般的に見ると、補正年収670万円~700万円に過半数の自治体が納まっています。都道府県・政令市で見たランキングに比べれば、上位と下位でそれほど大きな格差はありません。
都内の特別区・市であれば、実質的な収入に関して大差はないようですが、平均年齢を見るとかなり違いがあるように、職員の構成によって、自分が職員として働く場合の職場の雰囲気や、組織の将来の姿が異なります。
公務員ならどこの自治体に就職しても同じというわけではありません。