都庁の人材育成

都庁では、現在の職務に必要な技能を身に付けるための研修も充実していますが、将来のキャリアアップや、人材としてのスキル向上のための自己啓発を支援する制度もあります。

具体的には、職務に有用な資格や講座が設定され、必要な経費の一部又は全部のバックアップを受けることができます。

仕事が忙しくて教室に通うのが難しい職員もいるため、資格対策のための通信講座メニューなど、支援内容の充実が図られています。

ただし、人事当局が重視しているのは、「自ら育つ」、「自ら成長する」という意欲です。支援制度が充実しているといっても、あくまでも後方支援にすぎません。

都庁の人材育成基本方針においても、職員に求められる人材像として、「都政を支える気概と核となるプロフェッショナリティ(玄人としての卓越性)を備えたプロ職員」であることが掲げられています。

面接試験でも、都庁を志望したのは研修制度が充実しているから、人材育成をしてもらえるからという姿勢が垣間見えると、主体性を欠く人材と評価されるおそれがあります。

下段の一覧表は都庁の自己啓発支援メニューの抜粋です。

誰でも受講できるコースもありますが、「英語能力向上」のように、英語が必要となる部署に勤務する職員に限定されるコースもあります。

仕事のために自腹を切りたくないという方もいますが、自分のやりたい仕事に就くためには、講座に通ったり、専門書を購入したりといった、ある程度の先行投資も必要です。

例えば、現時点で英語ができない職員が国際部門に配属されることは通常ありません。将来そうした部署で働きたいのであれば、まずは自分の負担で英語の勉強をする必要があります。

人事異動の希望を提出する時期には、TOEIC等の点数で語学力を示す必要がありますが、5千数百円の受験料も自己負担です。
ただし、これは自分の希望する職務に就くための先行投資となります。

こうした努力が認められて国際部門への異動が叶えば、(もはや自己研鑽ではなく)職務の一環として、語学学校に通ったり、専門書を入手できるようになり、仕事のスキルを一層高めるチャンスが広がります。

また、高度なスキルや専門性を活かせる部署に在籍していれば、日々の業務自体が、専門知識・スキルのさらなる向上につながることは言うまでもありません。

これは、次にどの部署に異動するか(どの部署から声が掛かるか)にも関係します。人事異動で新たな人材を迎える部署の側も、人数が増えるわけではないため、一定の経験や実力(若手の場合は潜在能力も加味)を備えた人材を希望します。

以上では事例として国際部門を取り上げましたが、法律、財務・会計、建築、土木など、様々な分野についても同様です。

人気部署や枢要部署への異動に関して、候補者には次の3つのパターンがあります。
 ①異動を希望し、必要なスキル・経験も備えている(少なくとも基礎力、潜在能力がある)
 ②異動を希望してはいないが、必要なスキル・経験を備えている
 ③異動を希望しているが、スキル・経験が不足している

大抵の場合、①と②の候補者で席は埋められてしまいます。

受験生の方が採用試験に向けて準備をしているのは、まさに、都庁でやりたいことを実現するための先行投資に該当します。

こうしたある程度の時間等の先行投資は、就職後も、異動希望を叶え、希望する職務に就くために必要となります。


都庁の自己啓発支援制度の概要

支援制度 説明
 資格取得支援 宅建、簿記検定、建築士、
 技術士、社会福祉士、
 情報処理技術者などの
 国家資格等の取得を支援
 通信教育講座
 受講支援
 パソコンスキル、ロジカル
 シンキング、プレゼンテー
 ションスキル、語学、
 資格対策などの通信教育
 講座の受講を支援
 大学公開講座
 受講支援
 ビジネス英語やマーケティ
 ング、文書作成技法などの
 大学公開講座の受講を支援
 英語能力向上支援 英語を必要とする職務に
 従事する職員に対し、最大
 1年間、語学教育機関での
 学習を支援
 大学院修士課程等
 修学支援
 大学院修士課程に在学し、
 行政運営に関する高度な
 専門知識や幅広い視野、
 組織のリーダーとしての
 役割を身に付けることを支援
 その他支援 その他、職層(例:管理職
 候補者、統括課長代理)等を
 限定した支援制度なども整備

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