採用試験でリスクの高い科目、準備に時間を要する科目

都庁採用試験の科目で、本番での失敗が怖いのは以下の順と考えます。

論文>専門記述>面接>択一

択一
択一は、40問を必須回答です。ケアレスミスや苦手な分野から多く出題されることもありますが、逆に適当にマークしたものが偶然正解になることもあります。
問題数が多いこともあって、全体として見れば概ね実力通りの結果となるでしょう。

面接 
面接は、緊張して上手くいかないこともありますが、面接官のほうもそれを前提に多様な角度から検証してくれます。少々答えに詰まっても問題ありません。
面接は人物の審査をしているのであって、受験生の回答そのものを採点しているわけではないからです。

面接官に相対するということで心理的には一番負担を感じるかもしれませんが、本来の実力を発揮できないまま終わるリスクに関しては、それほど高くはないでしょう。(回答内容をまとめるなど、事前の準備をしっかりやっていればですが、それも実力のうちです)

専門記述 
専門記述は10問中3問を選択して解答です(行政の場合)。ある程度、勉強する段階で科目を絞って臨んでいるはずですから、準備していない論点や苦手な分野から多く出題されると、解答数が少ない分、挽回しづらいです。

もちろん、何が出題されても大丈夫というくらいのレベルになっていれば、過度に恐れることはありません。それでも試験本番で問題を見て、「これなら書ける」と思えるまでは安心できません。

論文
一番怖いのは論文です。論文は答案に書いてあることが全てで、弁解の機会が与えられません。

面接だと、おかしなことを言ってしまっても、挽回の機会が与えられます。不適切な回答があった場合、面接官としても、緊張のせいでうまく説明できなかっただけか、本当にそう思っているのか確認しないといけません。

専門記述も、知識として知っているか知らないかだけなので、本人も出来、不出来がある程度分かります。

論文の場合、あらぬ方向に議論を進めてしまったり、途中で論理矛盾していても、本人が気づかなければ、そのまま採点まで進んでしまいます。

面接であれば、面接官の反応などで、おかしなことを言ったと自分でも気付くかもしれません。

論文では、論理矛盾がないか、答案の構成が整っているか自分で検証する必要があり、仮に気付いたとしても答案を一旦記入した後では、時間内に修正するのは大変です。

以上は、試験本番の一発勝負の中での失敗が怖い順です。

一方で、試験対策に時間を要するのは以下の順です。

面接>専門記述>択一>論文

論文
論文については、書き方、視点が大切です。都政の論点をたくさん覚えても、(その場で初めて考えている受験生に比べれば)試験本番で考える時間を節約できるくらいの効果しかありません。

書き方、視点を身に付け、練習するための時間は必要ですが、それほど数多くやる必要はありません。したがって、直前期に実力を一気に引き上げることは可能です。

もっとも、制限時間内にどれくらい文章が書けるのか、他人が読んで分かる文章になっているかなど、基本的なところは早いうちから時々やっておいたほうがよいでしょう。

択一・専門記述 
択一、専門記述については、知識そのものが試されています。(受験生の考え方や視点は試されていません)

知識の質、量ともに合格レベル以上にするためには、記憶の定着に一定の時間がかかります。教科書やテキストを何回も読んで覚えることになりますので、試験本番までのスケジュール作成とその着実な実行が大切になります。

記憶の定着に効果的なのはアウトプットです。どこがポイントか漠然とした状態でテキストを読むだけでは、あまり記憶に残りません。

対策時間が限られる場合は、問題集を使って、問題を解きながら覚えるのが効果的でしょう。これは、解けるようになってから問題集に取り掛かるのではなく、初めから問題集を使って実戦的な知識を仕入れる方式です。

面接 
面接に向けては、直前期の対策も大切ですが、普段の取組はもっと大切です。結局、面接官が知りたいのは、「どんな人物か」だからです。
根本的な面接対策に関しては、対策に「時間」がかかるというよりは、「期間」がかかると言ったほうが適切かもしれません。

トランプに例えれば、手持ちのカードの中から、何を選び、どのような順番で切っていくかも大切です。
これは、面接の直前期の対策として、どのエピソードを選択し、どのように分かりやすく面接官に説明するかを磨いていくことです。
その人物の良さが相手に伝わらないことには始まりませんから、もちろんこれも大事です。

しかし、最も根本的な対策は、手持ちのカード自体を強くする、種類を豊富にしておくことです。
これは、面接で評価される(採用後に活躍できる人材と評価される)普段の取組や実績、習慣に、早いうちから取り組んでおくということです。
この点を強化するには一定期間かかります。直前対策では間に合いません。

こうした取組を普段から本当に実践し、経験を積んでいるのであれば、面接で大げさに言う必要も、ましてやウソをつく必要もありませんし、突っ込まれて困るということもありません。

面接試験に向けて手持ちのカードを強くするために、具体的に今からどんなことに取り組めばよいのか。
結局は、採用後に活躍できる人材(人事当局が積極的に採用したい人材)なら、様々な場面で何を考え、どう行動するだろうかということに尽きます。

そこで受験生の方の道しるべとして、具体的な場面をもとに、都庁で活躍している職員、評価されている職員ならどう行動するか、どう考えるか、ケーススタディを通じて体験的に学ぶことができるテキストを準備しています。

そうした高く評価される行動様式を、受験生の方の普段の学校、ゼミ、サークル、バイト先などの場面にあてはめ、少しずつ実践していただきたいという趣旨です。

こうした取組を実践し、その経験から学んだことは、単に面接で評価されるだけでなく、就職後もそのまま仕事で活躍するために活用できます。
採用試験は、優秀な学生の選抜ではなく、採用後に活躍できる人材の選抜ですからこれは当然のことです。

受験生の方の視点では、受験勉強と採用後の仕事は別のものかもしれません。採用する側の視点では、学生生活や受験勉強、採用後に想定される仕事ぶりは一連のものとして見ています。


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